第77話 IFRS適用に関する最近の動向④


前回に引き続き、8月25日に金融庁で開催された企業会計審議会の総会・企画調整部会合同会議の内容について記載します。

今回は、当日配布された資料のうち「会計基準をめぐる最近の国際的動向」と
「在日米国商工会議所(ACCJ)によるIFRSの導入に関するコメント」について記載します。

配布された資料が金融庁のウェブで公開されています。
http://www.fsa.go.jp/singi/singi_kigyou/siryou/soukai/20110825.html


会計基準をめぐる最近の国際的動向

〇 IASB-FASBによるコンバージェンス作業の状況

・2011年4月21日にIASBとFASBはコンバージェンス・プロジェクトの数カ月延期を発表

「金融商品会計:減損・ヘッジ」、「収益認識」、「リース」は完了時期を2011年中に延期

・2011年6月30日にIASBが公表した作業計画では重要なMOUプロジェクトの完了についてさらに延期

「金融商品会計:減損」は2012年以降、「金融商品会計:減損・ヘッジ」は2011年以降、「収益認識」、「リース」は2012年前半に延期

・2011年7月26日にIASBが公表した作業計画では重要なMOUプロジェクトの完了についてさらに延期

「収益認識」、「リース」は2012年中に延期


つまり次のように延期になっています。

「金融商品会計:減損」2011年6月→2012年以降

「金融商品会計:ヘッジ」2011年6月→2011年以降

「収益認識」2011年6月→2012年中

「リース」2011年6月→2012年中


〇 IASBの今後の戦略的方向性・作業計画(市中協議)

今後3年間の戦略的方向性及び全体的な将来の作業計画のバランスについて、広く関係者の意見を取り入れることを目的として、2011年7月26日にアジェンダ・コンサルテーションを公表し、パブリックコメントを開始


〇 EEG(新興経済グループ)の設立

・2011年7月にIASB内に設立

・メンバーはG20及びマレーシア


〇 IFRS財団アジア・オセアニア地域サテライトオフィスの東京への設置

このような内容が会計基準をめぐる最近の国際的動向として金融庁から説明されています。

基準改定の完了の延期、計画に関しての意見徴収、新興国重視ということで、IASBとしても慎重に進めていくという考えの表れと考えられます。

在日米国商工会議所(ACCJ)によるIFRSの導入に関するコメント

次のような提言がコメントされています。

IFRSの導入は

・財務諸表作成者、監査人及び投資家の教育のための大きな努力が求められ

・会計及び業務システムの改修に多大な資源を必要とし、

・規制当局、課税当局、法的合意における財務情報の利用に多くの関連影響を及ぼすものである。

各国は、このような要素の全てを考察した上で、自国固有の状況を前提として、IFRS導入の範囲及び時期を決定すべきである。日本は、IFRSをすでに導入した諸国またはその途上にある諸国における経験を研究することから便益を得ることができるものと信じている。このため我々は、日本が慎重に導入の便益とコストを評価し、導入時期について適切に判断を行う必要性を指示する。



海景君の感想

『IASBの動きも在日米国商工会議所のコメントもIFRS導入は慎重にという方向性を示すものだな!』

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