第81話 最近のIFRS決算開示事例
(住友商事と日本板硝子)②

前回に引き続き、住友商事の2011年3月期のIFRS決算に関して記載します。
IFRSと米国会計基準の当期利益と株主資本の差異の説明から記載します。

図1
図1

差異の内容について、注記内容とそれをまとめ物を記載します。

(*1)有価証券の売却損益及び減損損失について

<注記内容>

米国会計基準では、有価証券に係る売却損益及び減損損失は当期純利益に計上されます。IFRSでは、当社はIFRS第9号を適用しており、公正価値の変動をその他の包括利益で認識することを選択した金融資産(FVTOCIの金融資産)に係る売却損益及び減損損失相当額はその他の包括利益として計上され、当期利益に計上されることはありません。

図2
図2

(*2)税効果について

<注記内容>

米国会計基準では、関連会社に対する投資に係る将来加算一時差異については、売却等の現在利用可能な解消手段に基づく税率で繰延税金負債を計上しております。IFRSでは、関連会社に対する投資に係る将来加算一時差異については、配当等のマネジメントが予測する解消手段に基づく税率を用いて繰延税金負債を計上しております。また、米国会計基準では、関連会社に対する投資に係る将来減算一時差異については、原則として回収可能性が高い範囲内で繰延税金資産を計上しております。IFRSでは、関連会社に対する投資に係る将来減算一時差異については、予測可能な将来に当該一時差異が解消することが見込まれる場合に限り、回収可能性が高い範囲内で繰延税金資産を計上しております。

図3
図3

(*3)固定資産減損について

米国会計基準では、固定資産の減損の認識要否の判定において、固定資産の帳簿価額との比較を行う際、割引前将来キャッシュ・フローを使用しておりますが、IFRSでは、割引後将来キャッシュ・フローを使用しております。また、米国会計基準では、減損の測定には、固定資産の帳簿価額と公正価値の差額を固定資産の減損損失として認識しておりますが、IFRSでは固定資産の帳簿価額と回収可能価額(使用価値もしくは売却費用控除後の公正価値のいずれか高い金額)の差額を固定資産の減損損失として認識しております。なお、使用価値については、直近の財務予算・予測期間(原則5年を限度)とそれを超える期間について一定の成長率に基づいて算定しております。

図4
図4

(*4)有価証券の測定について

米国会計基準では、市場性のない持分証券は取得原価により計上しております。IFRSでは、当社はIFRS第9号を適用しており、資本性金融商品(非上場株式等を含む)への投資は公正価値により測定し、その変動を株主資本(親会社の所有者に帰属する持分合計)として認識しております。

図5
図5

(*5)有形固定資産及び投資不動産のみなし原価について

IFRSでは、初めてIFRSを適用する会社に対して、有形固定資産及び投資不動産につき移行日現在(平成21年4月1日)の公正価値をみなし原価として使用することが認められております。当社は、一部の有形固定資産及び投資不動産について、移行日現在の公正価値を当該日におけるIFRS上のみなし原価として使用しております。

海景君の感想
『米国会計基準からの移行でも、有価証券や固定資産は影響がでるということか。』

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